自然を必要とする人に没入型VRで届ける

あなたにとって没入感のある仮想現実 (VR) とは何でしょうか?娯楽のようなものですか? あるいは教育?それとも広告?VR制作を専門とする企業、Super Splendide社の創業者、JF Malouin氏にとって、VRはそのようなものをはるかに超えています。つまり、社会に貢献し人々の人生に変化をもたらすことができる、強力なツールです。

Super Splendide社は現在、自然や美、文化に物理的にアクセスできない人に対して、没入型VRで届けるアプリを開発しています。緩和ケアやショートステイの入所者に対するプロトタイプ体験が成功したことを受けて、同社はこのアプリを主に老人や身障者、緩和ケアを受けている人々に役立てたいと考えています。

Malouin氏は次のように説明しています。

「自然とふれあうことができない人こそ最も自然を必要とする人であることが多いものです」

カナダ・ケベック州の沿岸地方、コート・ノールでのInsta360 Titanを使った撮影旅行から戻ったばかりのMalouin氏にお話を伺いました。

1. ご自身とあなたの設立したSuper Splendide社についてご紹介いただけますか?

JF Malouinと申します。私はデジタルアーティストであり、起業家でもあります。モントリオール、ニューヨーク、サンパウロ、ソウルなど、世界中で自分の作品を主にVR形式で公開してきました。展示活動を始める前は、Ubisoftでアーティストとして15年間、クリエイティブチームを管理していました。

VRの良いところは、知覚と感情に関わるものなので人間の状態を探るのにうってつけの方法だということです。

VRは冷たくて技術的な媒体だと言われていますが、実際はとても温かなものです。つまるところ、感受性、知覚、感覚システムの問題です。

Super Splendideでは、生活の質の向上と社会の改善のための手段としての没入感と仮想現実を利用した、ポジティブ開発に焦点を当てています。弊社には心理学やメンタルヘルス療法に関連するプロジェクトがたくさんあります。また、重工業と緊密に連携して、職場の健康とセキュリティのための仮想トレーニングプログラムを開発しています。最近は、没入感を高齢者、障害者、緩和ケアを受ける人々にどのように役立てることができるか、について興味を持つようになりました。

2. 御社で開発中の没入型仮想現実アプリの背景をお話いただけますか?

パンデミックの間に私たちは「自然との出会い」という一般的なテーマの下で、弊社のあらゆる社会的プロジェクトを寄せ集めました。私たちは、さまざまなユーザーのグループがすべて、VR形式で表現した自然から何らかのメリットを得ることができると考えました。孤立したVR体験ではなく、周囲をコントロールし、誰かと一緒に過ごせるようなものを作りたかったのです。さらに、VRやテクノロジーに慣れていない人達のグループ、病気や疲れている人達のグループ、手足の不自由な人達のグループの話なので、アクセシビリティが重要になります。

全体としての目標は、自然や美に到達できない人々に、アクセス可能なマルチプレイヤー形式で届けることです。このアプリは、自然や美との触れ合いを大いに必要としていても不幸にしてできない人のためのものです。静かな湖に出かけたり、森やビーチ、山、崖、海を楽しんだりする手段も、体力も、能力も持たない人はたくさんいます。そして、自然とふれあうことができない人こそ、最も自然を必要とする人であることが多いものです。

もちろんこのような人々は、老人ホーム、介護施設、病院、緩和ケア、ショートステイなどに集中しています。そのような施設と協力している理由はここにあります。そのような施設はすでに、このプロジェクトで重視しているさまざまな人々のために働いているからです。私たちはすでに導入されているシステムをサポートし、そこから学んでいくことができると考えています。

さらに進んで、モントリオールにあるマギル大学のマギル・マインドフルネス研究所(MMRL)とも協定を結びました。MMRLの研究者はユーザーの気分と精神的回復力に対する、弊社のアプリの実際の効果を測定することになっています。私たちの仕事で科学の裏付けを取るのは重要なことです。私たちは弱い立場にある人々を支援することを目的としているのでなおさらです。

木々に囲まれた Insta360 Titan。没入型VRコンテンツの撮影中。

3. 今回の旅行では何を撮影しましたか?またその理由は

私たちは大まかに3つのグループの中から、特別で刺激的な撮影場所を探していました。

  • 文明の影響を受けていない、息を呑むような自然。純粋さ、独自性、規模、演劇の質などを考慮して風景を選びました。
  • 記憶に残る様々な遺産。一風変わった教会、放棄された集落、建築様式の小さな宝物、神聖な場所、人間が作り出した感動的な美しさなど。
  • 深く根付いた文化のパフォーマンス。歌や音楽の演奏、口承文学、料理や狩猟などの伝統、その地域独特で外部に知られておらずメディアや芸能界の影響を受けていないあらゆる形態の人間文化。

私たちが主に自然を重視したのは、個性ある自然というものがプロジェクトの主要な側面だからです。豪快な滝やゆったりとした川の流れ、波がぶつかって砕け散る岩、緑色と山吹色に彩られた森、さらには山火事で焼失した森林を撮影しました。

私たちはアプリを使用する人々が安らげると同時に刺激を受けてほしいと思います。

私たちは、ユーザーが自然の美しさに畏敬の念を抱くことを望んでいます。その驚くべき強い気質のためであろうと、あるいはその比類のない美学のためであろうと。

そして、私たちが試そうとしていた別の側面は光でした。冷たい青い光、金色の夕焼け、どんよりした灰色の空などです。光が自然の個性に日々異なる側面をもたらしました。

また、文化と遺産の側面を探求したいとも考えていました。検証の結果、自然環境の中に芸術、文化、または伝統を含めると、人々の心理面に大きな影響を与えることがわかりました。重要な建築物や意義のある史跡などの遺産の場所を訪れること、音楽を聴くこと、その他文化に関連することはすべて、あなたを感動させるものです。私たちのコンテンツを感動的なものにしたいと考えています。

最終的には、さまざまな風景を通して自然を探索している時に、ある遺跡に出くわし、次にミュージシャンかオーケストラに出会う、というような体験をすることが理想的な状況です。没入型仮想現実体験でこれらが協力し合う様子を、私はそのように想像しています。

湖や森に囲まれた Insta360 Titan。没入型VRコンテンツを撮影中。

4. このプロジェクト用にInsta360 Titanを選んだ要因は何でしたか?

まずはじめにInsta360 ONE Rを2台購入して、このプロジェクトのためのプロトタイプ撮影を行いました。ONE Rのアプリとワークフローには本当に感動しました。カメラはとても使いやすく、非常に柔軟性がありました。

それ以降、私たちはオンラインで多くの調査を行い、さまざまなカメラのチュートリアルをYouTubeで数多く視聴しました。私たちは最高の解像度と最も簡単なワークフローを備えた最高品質のカメラを必要としていました。私たちの調査では、Insta360 Titanは非常に用途が広く、またトップクラスの解像度と10ビットの色深度を備えており、明らかに高品質なカメラでした。

私たちが調査した他のカメラと比較して、特にTitanには確かな品質が感じられました。そして大きな妥協点もありませんでした。他のカメラでは、「この点は本当に素晴らしいが… ピントがずれたり、ある状況でピントが合わなかったり」というようなことがありました。Titanは安定しており、あらゆる点で堅実なパフォーマンスを示しました。このカメラしかありませんでした。

カメラに求めていたのは戦車並みの信頼性です!Titanはまさにそのようなカメラです。私たちにとって完璧なカメラでした。何も心配することはありませんでした。

もう一つ、素晴らしかったのはアプリでした。Insta360環境を取り巻くソフトウェアはどれも本当に印象的です。会社のユーザーに対する考え方は、プロフェッショナルなものであると同時に楽しみであるかのように感じられるので、私は本当に感謝しています。総合的に見てこのカメラは素晴らしく、本当に満足でした。

川沿いの岩に置かれたInsta360 Titan。 没入型VRコンテンツを撮影中。

5. Insta360 Titanのようなプロ用カメラの購入を検討している人に何かアドバイスはありますか?

いまアドバイスするとしたら、ただそれで遊んでみる、ということでしょう。360度カメラを使った経験がまったくなければ、まずはONE Rのような小さいカメラから始めてください。もし私たちがそうしていなかったら、360度カメラでの撮影を理解するのはずっと難しかったでしょう。多くの間違いを犯しながらも、 ONE Rを使った遊びから多くのことを学びました。でもYouTubeのチュートリアルからも多くのことを学びました。例えば、CreatorUpのチャンネルはお勧めです。

夕焼け時の森とInsta360 Titan。没入型VRコンテンツを撮影中。

6. 御社の没入型仮想現実アプリはいつ公開されますか?

現時点では、私たちのプロトタイプの映像をVRヘッドセット間でマルチプレイヤーで視聴できます。しかし、まだ開発の真っ最中です。私たちはVRヘッドセットで受動的に見ることができる360度映画を作っているだけではありません。私たちは、美しい風景を探索するためのまったく新しいテクノロジーを生み出しているのです。また、高いアクセシビリティを目指しているため、設計プロセスの一環として、サービスを提供したいと考えている人々との緊密な連携が必要です。これらすべてを考慮して、9月のβ版リリースを目指しています。β版はマルチプレイヤー対応で、すべてTitanで撮影した映像になる予定です。その後、2022年2月頃に有料となる完全版のリリースを予定しています。

有料版をリリースした後も無料版アプリの提供は続けます。社会的弱者の方々にも使っていただけるよう、できるだけ入手しやすい形にしたいと考えています。有料版から得たお金でエクスペリエンスを向上したりコンテンツを追加したりできます。また、撮影時に多くの方から好評をいただいたので、クラウドファンディングを立ち上げてプロジェクトの資金を集めるつもりです。

実際、このプロジェクトの社会的側面は私たちにとって非常に重要なので、現在、この目標をサポートする非営利団体、Super Sublimeを設立しようとしています。Super Splendideは並行して作業しながら、近いうちにSuper Sublimeにこのプロジェクトを引き継ぎます。こうすることで、アプリの恩恵を受けるのはユーザー自身だけになります。これは没入型仮想現実に関する私たちの取り組みにおいてかなりの進化であり、この最新の開発を非常に誇りに思っています。

海辺でInsta360 Titanをセットアップする、Super Splendideの創業者JF Malouin氏

Insta360の最新情報やユーザーストーリーをチェックしたい方は、公式ブログをチェックしてください。また、Insta360コミュニティに参加すると、ユーザー同士で情報交換をすることができます。

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