新型コロナウイルスの感染拡大は建設業界を混乱に陥れました。ソーシャルディスタンスのルールにより、現場に同時に立ち入りできる人数は制限されています。もし、間取り図を移動して現場を確認し、状態の変化をリモートで見ることができる、Googleストリートビューのようなフォトドキュメント・ソリューションがあるとしたら?それがOpenSpaceです。
OpenSpace社はサンフランシスコを拠点とするテクノロジー企業です。同社は360度画像を用いて建設業界に新しいレベルの透明性をもたらすことに力を注いでいます。Insta360カメラとコンピュータービジョン、そしてAIを組み合わせた同社のソリューションは、完全にビジュアルな現場の記録を撮影し、それをクラウド経由で共有し、進捗を追跡する、という作業を非常に容易にするものです。
OpenSpace社の顧客はこれまで、自分たちのプラットフォームを使い、数十カ国の数千もの現場で進行中の建設プロジェクトを十億平方フィート以上に渡って撮影してきました。そして2020年3月から500%以上の成長を遂げています。
私たちはOpenSpace社のマーケティング提携戦略責任者、Robert Shear氏にインタビューし、Insta360のカメラを使用した同社のフォトドキュメント・ソリューションについてお話を伺いました。
1. 建設現場向け360度フォトドキュメント・ソリューションの価値とは何でしょうか?
フォトドキュメントは、ビルが存続する間に何か問題が発生した場合に備えて、建設現場での見えない部分の仕事を記録するのに必要とされることが多いです。COVID-19の影響でチームメンバーの多くは現場にいないので、進捗を記録する写真は仕事を進める上で欠かせないものとなりつつあります。
当初、建設現場での写真はカメラやスマートフォンで撮影し、日付やフロアごとにフォルダに分けて保存されていました。当然ながらこの方法はすぐに手に負えないものとなります。
次に登場したのは手動の360度フォトドキュメント・ソリューションです。ユーザーは360度写真を撮影し、間取り図の上に手で写真を配置します。360度写真は大きな一歩でした。というのも、現場を見渡して現在行われていることが実際にわかるからです。
そしてついにOpenSpaceが動画撮影ドキュメンテーションの分野を切りひらきました。ユーザーが現場をただ歩く間に、カメラは1秒に2枚の360度画像を撮影します。私たちのツールは、それらの画像を間取り図の上に並べ、スティッチは自動で行い、まるで建設現場のGoogleストリートビューのようにウェブに上げるのです。
2. 新型コロナウイルスの感染拡大は、どのようにフォトドキュメント・ソリューションの必要性を促進してきましたか?
コロナ禍によって建設業界は大きな打撃を受けています。ほとんどの現場は閉鎖され、再開した現場も、新たに設けられたアクセス制限とソーシャルディスタンスが課されています。チームは以前よりも少ない人数でより多くの仕事をこなさなければならず、現場に行けない場合でもリモートのチームメンバーと最新情報を共有する必要があります。
このような課題によりOpenSpaceの価値は高まり、その利用を大きく促進してきました。製品の利用は2020年3月から500%増加し、新しい現場とユーザーが日々増えています。閉鎖中に現場を撮影するためのつなぎとして登場したものが、いまや現場を回すのに不可欠なものとなりました。コロナ禍で急成長した遠隔治療のように、遠隔建設業が普及していると思っています。
私たちのクライアント企業の一つ、Boldt社の提供によるこちらの動画で、コロナ禍の今、同社がInsta360 ONE XとOpenSpaceでどのように建設現場を撮影しているのか見てみましょう:
3. OpenSpaceとInsta360カメラによる、建設現場のフォトドキュメント向けワークフローはどのようなものですか?
OpenSpaceの核心はシンプルです。初めて使う時と毎回使うたびに役に立たない、複雑な技術やツールを学ぶ時間は建設チームには全くありません。OpenSpaceで撮影するには次のことをすればいいだけです。
- OpenSpaceモバイルアプリを起動し、Insta360 ONE RまたはONE Xにワイヤレス接続して「開始」をタップ。
- 通常はヘルメットか三脚にカメラをマウントして 、いつものように現場を歩きます。カメラは360度画像を1秒間に2枚、自動的に撮影します。
- 歩き終えたらアプリで「終了」をタップします。別の現場に移動して撮影を続けるか、またはオフィスに戻って弊社のクラウドサービスに動画をアップロードします。
- OpenSpaceアプリは画像を処理して間取り図に並べてスティッチし、Googleストリートビューのような連続的なウェブインターフェースにまとめます。
これだけです!標準的な処理時間は30分以下です。
4. OpenSpace PhotoとOpenSpace Projectの両ソリューションの違いは何ですか?
OpenSpace Photoは手動で操作する無料のフォトドキュメント・ソリューションです。撮影した360度写真を、弊社のモバイルアプリを使って手動で間取り図に配置することができます。ユーザーは現場を歩き、間取り図の上で位置を示し、写真を撮り、そして次の現場に移動して同じ作業を繰り返します。このソリューションは、家のリフォームや小規模リノベーションなど、小さな現場に向いています。
OpenSpace Projectは自動化された動画製品で、操作はタップするだけです。弊社の顧客は通常、撮影頻度が多くなったり広い現場を撮影するようになって、写真を手動でピン留めしていく作業があまりに面倒になると、OpenSpace Projectにアップグレードしています。
5. 建設現場のフォトドキュメント用に360度カメラを選ぶ上で最も重要なことは何ですか?
私たちが建設現場のフォトドキュメント用に必要としているのは、高品質の画像と軽量なカメラ、そしてカメラをプログラムで設定可能な信頼できるAPIです。
市販カメラの中で建設現場向けのフォトドキュメント用に最適なのは、Insta360 ONE RとONE Xです。
OpenSpace社 Robert Shear氏
私たちの経験から言えば、市販カメラの中で建設現場向けのフォトドキュメント用に最適なのは、Insta360 ONE RとONE Xです。実際、どちらも動画撮影ソリューションとして唯一、お勧めできるカメラです!
6. OpenSpaceを選ぶべき理由は?他のソリューションと比べて際立っている点は何でしょうか?
OpenSpaceはフォトドキュメントとリモートでの共同作業をとても容易にします。現場の写真を撮る方法は文字通り多数あります。しかし規制が厳しいこのコロナ禍のご時世に、現場のチームは実績のない技術を相手に格闘したり、画像が戻ってくるまで何日も待つことはできません。OpenSpaceを使えば誰でも建設現場並みのスピード感で記録して、現場の作業を進めることができます。
Insta360の建設ドキュメンテーションやプロジェクト・マネジメントのソリューションについてもっと知りたい方は、公式サイトをご覧ください。