360度カメラで写真を撮影し、独自の世界観を築いているクリエイター、またTeam Insta360のメンバーでもあるSujit Chachadさん。これまでの活動や制作におけるこだわり、360度写真制作にInsta 360 ONE X2を利用する理由などについて、お話を伺いました。
360度撮影は気分転換。
そして自分自身をアクティブにさせるクリエイティブ活動
−まず始めに自己紹介をお願いします
Sujitさん:Sujitと言います。インドのムンバイ出身で、9年前に日本に来ました。普段はアニメーションの仕事をしていますが、360度カメラの分野では クリエイティブフォトグラファーです。360度カメラはInstagramの投稿用にユニークな写真を制作するのに使用していますが、いわゆる普通の写真は撮っていません。自分自身のスタイルで、見た人が「これはSujitの作品だ」とパッと分かるようなもの、自分独自のイメージを作ろうとしています。一週間ずっと単調な仕事が続くので、360度写真撮影は自分自身の気分転換です。そして 360度制作に対するビジョンを高めて、自分自身をクリエイティブに保つための活動です。
−制作において意識している点はありますか?
Sujitさん:いつも意識しているのは、これは360度カメラであるということ。つまり、この360度カメラで従来の平面写真を出力する必要があるのです。360度カメラは 全体を捉えることができますが、ぼくの場合は景色を見せるだけではなく、画角を変えリフレームして、特定の部分だけを見せて芸術作品に仕上げています。
ぼくがInstagramに投稿した画像を見ると、画像ごとに視点が異なることに気づくと思います。繰り返しがないため、例えば線やパターンを背景にすると対称性のある画像に仕上がります。
いつも試行錯誤しながら、最終的にはランドマークを見せるのではなく 、各画像を芸術作品に仕上げることを心がけています。
−360度写真の作品のインスピレーションはどのように得ますか?
Sujitさん:歩きながら 周りにあるものから何を作れるかを想像しようとしています。そうしてると 写真を撮る前に、画角やどうリフレームするかを決められるからです。
−360度写真の作品の被写体はどのように決めますか?
Sujitさん:基本的にぼくは撮影の計画は立てません。ストリートフォトグラフィーのように、カメラを手に持って様々な物や人々をとりとめなく撮影しています。
しかし、このカメラは360度カメラで周囲全部が写るので、意識しないといけないことがあります。例えば マンホールなどを撮る場合は、リフレームした後に、背景にどれだけのものが写って画像を損なうかを意識します。
被写体に対称性がない場合は、撮影前にスマホのInsta360のアプリででバランスを確認します。使えそうかどうかを確認するです。
使えそうな写真が撮れそうでもなくても 一枚念のため撮ります。時間はあまりかけません。単なるバックアップです。
江ノ島のような海のある場所に風景撮影に行く時は、Insta360の機能で簡単にタイニープラネットになるので、特に被写体の狙いなどはありません。
ONE X2は簡単に撮影できて、
色彩表現が優れた風景撮影に最適な360度カメラ
−どうして江ノ島の撮影でONE X2を利用しようと思ったのですか?
Sujitさん:今 江ノ島はコロナのため人々は訪れることはできないので、自分が訪れた時の様子を YouTubeで旅行できない人のために共有したいと考えました。Insta360 ONE X2を使えば、これが日没でこのように見えました」という感じに、自分の江ノ島体験を360度で共有できます。現地に行けないなら、オンラインで360度で観る方がずっといいです。あと、江ノ島は個人的に気に入っています。海のすぐそばで とても落ち着いた場所だからです。Insta 360 ONE X2で撮影する理由は、簡単に撮影できて、色彩表現が優れている事です。ぼくの大好きな江ノ島の色彩がリアルに表現できます。
−360度写真撮影での注意点はありますか
Sujitさん:「同じカメラを持ってるから同じ写真が撮れる」と考えてる人もいます。その通りですが 練習が必要です。最初の頃出勤する時、必ずInsta360の360度カメラを持って行きました。昼休みに散歩して、とりとめもなく写真を撮ります。Instagramに投稿できるような写真でなくても毎日撮り続けました。こうすることで目を鍛えられました。
ぼくの場合、ロケに行くときは もう10、15、16枚も撮る必要はありません。この場所が撮影に向いていてリフレームした後どのように写るかパッと分かります。写真を撮る際にすでにどう編集するかを考えられれば、後は楽になります。
他の人に写真の中で何を見てほしいかを意識して編集
−アーティストとしての編集のスタイルを教えてください。
Sujitさん:繰り返しになりますがリフレームは簡単な作業です。画像を際立たせる色補正など、後処理こそが鍵です。
自分のために編集はしてない、他の人にその写真の中で何を見てほしいかを意識して編集します。それによって見せたいものがはっきりしてきます。写真の編集は色を補正して、彩度を上げ、ハイライトを下げ、ビネット効果を入れます。これらは編集の基本的な要素です。
しかしぼくはさらに一歩先を追求します。一部一部を前に出したり 後ろに押したり、画像の一部を強調させます。
あと、編集の際は、いつも露出をハイライト部分に合わせて、シャドウを上げるようにしてます。撮影時に露出をシャドウ部分に合わせると 空が真っ白になってしまうので 、空に露出を合わせて、シャドウ部分を持ち上げるようにすればバランスのとれた画像になるのです。後処理はもちろん時間がかかり重要ですが 、撮影前の計画も同じく重要ですね。
ただアーティストとしての自分のスタイルを確立したいだけ
−目指しているビジョンを教えてください。
Sujitさん:私はVR業界で仕事を続けても、今やっていることを続けていきます。父親もアーティストで、彼は自分のファインアートの描き方があり、母にも彼女なりのファインアートの描き方がありました。
私もただ自分自身の写真のスタイルを築きたいだけです。有名になりたいわけではなく、自分のスタイルとパターンを作り、アーティストとして自分のスタイルを確立していきたいです。
360度カメラの可能性は無限大。
だからこそ何をしたいかを明確にし、練習が必要
−360度カメラに挑戦したい、またはすでに持っているユーザーへのメッセージはありますか?
Sujitさん:360度カメラをすでに持っているなら、まず何をしたいのかを明確にしましょう。動画を撮ることもできるし、VRなどのバーチャルツアーや建築物の案内をしたり、動画で建築物の案内をすることもできますし、360度カメラの可能性は無限大です。もちろん歩む道は人それぞれですが、 ぼくのように様式化された画像を作りたいなら、いずれにしても練習は必須ですね。
▼Sujitさんのインタビュー内容をYouTube動画でもチェック!
■Sujitさんのプロフィール
VFXアーティストでありライティングとコンポジティングが専門。有名な作品にディズニーの『トロン:ライジング』、ドリームワークスの『シュレック』『マダガスカル』、ネットフリックスの『サイボーグ009』などの制作に携わる。 また、Team Insta360のメンバーでもあり、芸術的な360度写真撮影を得意とし、Insta360 ONE X2を日常的に使っている。
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