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VR事例:POV運転ゲームに360度動画を使用

もし、F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンと同じスピードでザントフォールト・サーキットを運転できるとしたら? 

オランダGP のVIPカード所有者専用モバイルアプリに搭載されるPOV運転ゲームにはまさにそのような機能が備わっています。アプリ内のクルマはフェルスタッペンが運転するのとまったく同じスピードで走行するように作られていて、自分でアクセルを操作して加速したりブレーキをかけたりすることができます。

POV運転ゲームはかなり前から登場していますが、このゲームの違うところはサーキットの実写映像を使っていることです。アプリの開発チームは、ゲーム内のサーキットをコンピュータ上で作るのではなく、Insta360 Pro 2 VRカメラを使ってサーキットの360度映像を撮影したのです。

私たちはVRLAND社の共同オーナーであるJimi de Haas氏にインタビューし、このプロジェクトについて、そしてPOVドライビングゲーム用の360度映像を撮影するヒントについて伺いました。

なぜPOV運転ゲームに360度映像を使うのですか?

ビデオゲームに360度コンテンツを使う利点は、ゲーム環境全体をコンピュータ上で作る必要がない、ということです。ほとんどの場合、360度映像を使った方がはるかに低コストで本物に近いものが作れます。実際にサーキットを走行している様子を体感できるようにコンピュータ上でサーキットを模倣しようとすると、コストの高い大変な作業になるでしょう。

ユーザーはゲーム中にスマートフォンを動かしたり傾けたりして運転席からの視点を変えることができます。実際のサーキットを完璧に再現した、とても没入感のある体験ができます。

dutch Grand Prix POV driving game

ドライビングゲームに理想的な視点を得る

ゲームに必要な視点は何か、ということを撮影する前に知っておくことが重要です。カメラをマウントする位置がクルマのボンネットなのか、屋根なのか、後ろなのかで撮影結果はまったく異なります。最大限に没入感のあるゲーム体験ができるようにするために、クルマの中から新しいサーキットを見渡せるようにしたいと考えました。 

プロからのヒントとして言えるのは、テスト撮影する日を空けない、ということです。一番良い組み合わせを見つけるために、テスト期間中はカメラのマウント位置や走行速度、フレームレート、理想的な走行ラインをさまざまに変えてテストしました。弊社が所有する360度撮影用ラジコンカーにもカメラをマウントしてテスト撮影しましたが、最終的には普通のクルマにマウントして撮影した方が良いことがわかりました。テストの結果、もっとも自然な視点の映像が得られたボンネットマウントで撮影することに決めました。

insta360 pro 2 mounted on car

最適な360度カメラとマウントを選択する

クルマに360度カメラをマウントする場合、クルマの振動による影響を抑えるための映像ブレ補正機能が重要になります。今回のプロジェクトでInsta360 Pro 2を選んだ理由は、このカメラが非常に高性能で使い勝手が良いだけではなく、FlowStateブレ補正機能を搭載しているからです。

また、撮影中の動画をモニタリングできるPro 2のライブモニタリングシステム、Farsightも理想的なツールの一つです。テスト期間中に何度かFarsightを使わずにテスト撮影もしましたが、車内からの通信は窓が信号を遮るため不安定になりました。Farsightを使うと信号ロスは発生しませんでした。

Insta360 pro 2 with farsight inside car

ライブモニタリングシステムは、クライアントが現場にいるような場合にも便利な機能です。撮影中は安全上の理由でクライアントはサーキット内に立ち入ることはできません。Farsightがあれば離れた場所に設置したカメラの映像をクライアントに見せることができます。弊社が作成する360度映像作品の90%はFarsightを使って撮影しています。

このようなカメラを使って走行中の映像を撮影する際にもっとも重要なことは、カメラをクルマにしっかりとマウントすることです。最高の映像を撮ることは一定のリスクを伴うものですが、撮影中に緩んだりしないようにするためには、最適な360度カメラ用自動車マウントを選ぶことが重要になります。マウントの耐荷重は必ず確認してください。私たちが使用しているプロ向けの Freedom Car Mountは最大36kgまで耐えられます。

POV運転ゲームに360度映像を加える

VR映像のスティッチングには Insta360 Stitcher Mistika VR を使っています。当然のことですが撮影中は本物のF1ドライバーと同じスピードで走行することはできません。そのため、実際のF1カーと同じスピードを再現するため、ラップタイムが1分20秒になるように動画の再生速度を上げました。これはマックス・フェルスタッペンが運転するのとほぼ同じスピードです。

また、フレームレートは少なくとも60fpsで撮影することが重要でした。サーキット上のところどころに情報ボタンがあり、クリックするとサーキットの詳しい情報が確認できます。このボタンをクリックするためにはブレーキをかけてスピードを落とす必要がありますが、30fpsの映像でスピードを落とすと映像がぎくしゃくしてしまうからです。

その後で、広告代理店がF1レースカーのPOVビューを360度映像に追加しました。その結果、ゲームのプレイヤーは運転席に座って自分でアクセルを操作しているかのような感覚になれます。

POV driving game app

最後の課題は、アプリ全体のサイズを最小限にするためVR映像のファイルサイズが500MBを超えないようにする、ということでした。アプリのサイズが大きすぎるとユーザーにインストールしてもらえなくなります。私たちはさまざまな組み合わせを試してみて、最終的にビットレートをわずかに抑えた2.5K 60fpsの映像にすることにしました。Pro 2では8K画質でネイティブ撮影できるおかげで、スマートフォンの画面サイズでも素晴らしい映像で見ることができます。

広告代理店はこの結果に非常に満足し、またエンドユーザーからの反応も上々でした。私たちもこのような素晴らしいプロジェクトに参加できたことを非常に光栄に思っています。

VRLAND社の作品はInstagramの
@virtualrealitylandでご覧いただけます。

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