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Autori社の道路維持管理ソフトウェアがInsta360 Pro 2 & ストリートビューと統合

悪路 — それは誰でも文句を言いたくなるものですが、国全体の道路状況を監視するのに実際どれだけの時間がかかるか、考えたことはありますか?

道路維持管理のため、Insta360 Pro 2でストリートビューを撮影するAutori社車両

道路管理者がどの道路をどのように補修するべきかを確認するには、これまですべての道路を実際に走ってみるしかありませんでした。しかし、360度カメラとGoogleストリートビューを統合することで、道路管理者はリアルタイムの道路維持管理情報にリモートでアクセスできるようになりました。

この記事ではフィンランドにある道路維持管理ソフトウェアのパイオニア企業、Autori社の事例を見ていきます。私たちは2019年のGoogleストリートビューサミットでAutori社のチームに会いましたが、すぐに興味をそそられました。同社はGoogleストリートビュー対応のInsta360 Pro 2を使って、28,000キロメートル近くにわたるフィンランドの国道を撮影し地図を作成したからです。

Ari Immonen(アリ・インモネン)氏は Autori社のデジタル化コンサルティング部門責任者を務めています。私たちは、360度カメラがどのように道路維持管理業界に革命を起こし、このプロジェクトにInsta360 Pro 2がどのように使われたのかを明らかにするため、同氏にインタビューしました。

1. ご自身とこのプロジェクトについて簡単にご紹介いただけますか?

Ari Immonen(アリ・インモネン)といいます。 Autori社でデジタル化コンサルティング部門の責任者を務めています。

Autori社は1989年の創設で、道路や電力網、電気通信など重要インフラの維持管理を改善するSaaSソリューションを提供しています。

弊社が重点を置いているのは、冬期間の維持管理、舗装、道路照明、道路標識といった道路インフラの保守を管理し改善することです。弊社には道路維持管理業界で次のようなお客様がおられます。

  • 国や自治体が管理する道路の管理者
  • 実際の保守作業にあたる契約業社
  • 契約の立案や入札、品質管理について道路管理者を補佐する第三者コンサルタント

弊社は2年以上にわたりフィンランドの道路管理当局と協力し、28,000キロメートル近くに及ぶ国道を撮影しました。来年の計画もすでにあります。

2. 道路の維持管理に360度カメラを利用する主な狙いは何だったのでしょうか?

フィンランドだけで毎日数千人もの人々が、新規契約から進行中の作業の監督に至る道路の維持管理業務に従事しています。

道路アセスメントや契約立案は従来、常に道路上で行われてきました。このような業務に従事する人は大抵、実際に道路に出てリアルタイムで環境や状態を確認する必要があったのです。数千キロメートルにわたって多くの場所で停車して詳しく確認し、メモを取り、欠陥箇所を注意深く見た上で、必要な保守作業を計画し優先順位をつける、ということもありました。

最新の360度画像とGoogleストリートビューを統合することで、このような作業の多くがオフィスに居ながらにしてできるようになります。これは時間とコストを節約し、温室効果ガス排出を低減することにも繋がります。

インフラの所有者は360度写真のソリューションを利用し維持管理の効率を高めることでコストを抑えることができます。必要なデータがすべて一箇所で入手でき、当事者とリアルタイムで共有できるので、全ての当事者はより良い状況認識ができます。

3. 貴社の道路維持管理ソフトウェアをGoogleストリートビューと統合することにした理由は?

Googleストリートビュー対応

Googleストリートビューは道路の360度画像を共有するのに最適なツールです。

道路の維持管理には膨大な数の画像やデータを共有する必要があります。

Googleストリートビューにはユーザー間での共有に必要なツールが揃っています。アクセスは簡単で、ログインやソフトウェアのインストールは必要ありません。またこれらの画像は近隣の住民も見ることができますが、これは素晴らしい付加価値です。

ストリートビューは道路維持管理業界では以前から使われてきました。しかし私たちが直面した問題は、当局が最新の画像にアクセスする方法をどのように提供するか、ということでした。というのも古い画像は現状と合わない情報をもたらすおそれがあるからです。道路管理当局に最新画像を提供したことがきっかけで、弊社の道路維持管理ソフトウェアをGoogleストリートビューと統合することとなりました。

4. フィンランド政府はすぐに360度映像の有用性に気づいたのでしょうか? 納得させる必要はありませんでしたか?

フィンランド政府はすぐに弊社のソリューションを必要としました。フィンランド経済開発・輸送・環境センターで北フィンランド道路管理責任者を務める Markku Tervo(マルック・テルヴォ)氏は次のように述べています。

「私が必要としているのは、誰でも利用できる地図ベースのソリューション上の道路画像を更新するための、扱いやすいソリューションです。」フィンランド経済開発・輸送・環境センター 北フィンランド道路管理責任者 Markku Tervo(マルック・テルヴォ)氏

私たちがこのアイディアをフィンランドの道路管理当局に説明すると、すぐに私たちの道路維持管理ソフトウェアの有用性を納得してもらえました。私たちはすぐに彼らと共に小さなプロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトがうまくいくと、あとは雪だるま式でした。

Autori社が成功したのは、道路維持管理データの必要性と利用できる技術の可能性を私たちが理解し、この2つを新たな方法で組み合わせたからです。Autori社はフィンランド道路管理当局と共に次のような効果をもたらす、的確な意思決定のためのソリューションを生み出しました。

  • コストの大幅削減
  • 意思決定プロセスの質的向上
  • 利用可能な技術を使うことで作業をより意味のあるものにする

5. 道路アセスメントカメラとしてInsta360 Pro 2を選んだ理由は?

Insta360 Pro 2を道路アセスメントカメラとして選んだ主な理由は、Insta360のSDKを組み込んだ独自開発のアプリでカメラを制御できるからです。

Pro 2はまた、フィンランドの国内販売代理店を通じて容易に入手できたので、道路アセスメント用に使えることを購入前にテストして実証することができました。Pro 2で一番満足したのはその素晴らしい性能と納得のいく価格です。

Pro 2は簡単に組み立てて使用できるので、ドライバーがカメラを使う練習に必要な時間はほんの数分で済みました。Pro 2はGPSを内蔵しているおかげで組み立ては簡単で校正も比較的容易です。

6. 貴社の道路アセスメントワークフローについてご説明いただけますか? 撮影から公開までのプロセスはどのようなものですか? 

弊社の道路アセスメントソフトウェアは、完全に自動化されたクラウドベースのシステムです。弊社のAutoriプラットフォーム、Googleストリートビューとの統合、そして統合360度カメラ搭載車両を利用した、完全にエンド・ツー・エンドのサービスとなっています。

道路維持管理のため、Insta360 Pro 2でストリートビューを撮影するAutori社車両

一般的なワークフローには次のようなものが含まれます。

  1. 顧客の要求に基づき、 Autoriプラットフォームで運転経路を生成
  2. ドライバーは地図に従ってPro 2で360度画像を撮影
  3. 画像を選択し処理してデータベースに格納
  4. 画像をストリートビューにアップロードし、アップロード中にエラーがないかを監視

このワークフローの中で画像とデータは、顧客、現場作業管理者、ドライバーの間でクラウドを介して常に共有されています。

7. フィンランド政府は貴社が収集したデータをどのように使っていますか? これまでにどのような効果がありましたか?

何十もの使用事例を紹介すると小さな本1冊分になりますが、大まかに言うとフィンランド政府は弊社のソリューションは政府職員にとって有用であることをすぐに理解しました。同政府は弊社のデータを以下の目的で使用しています。

  • 道路を建設する場所を現地の全体像に基づき立案・決定
  • 道路標識の色やアイコンなどが法令に準拠しているかどうかを調査
  • 現在の道路状況を確認し補修を実施
  • 交通事故が発生した場合の交通管理の必要性を評価
  • 道路インフラの維持管理に関連する様々な許認可

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