VR映画を活用して軍の入隊志願者を募る

ヘリコプターのパイロットへの志願を検討しているところを想像してください。その任務について知ろうとした時、退屈なプレゼンテーションをずっと座って聞くのと、VRでヘリコプターのコックピットに行ける体験するのとでは、どちらがいいですか? 

オーストリア軍の入隊希望者は、VR映画「Black 72」でヘリコプターの乗車体験することができます。Black 72は若いヘリコプターパイロットが初めての任務で負傷兵を救出する様子を描いています。このVRによる採用体験は、オーストリア軍とヘリコプターパイロットの実際の姿を、より没入感と現実感をもって伝えるのに役立ちます。

オーストリア軍はこの体験映画の制作をVR制作会社のVrisch社に依頼しました。Vrisch社はこの映画の撮影にVR映画に最適なカメラ「Insta360 Titan」を使用しましたが、その映像の一部はヘリコプターの外部にこのInsta360 Titanをマウントして撮影しています。

この映画はオーストリア軍のYouTubeチャンネルで4K画質でご覧いただけます(英語字幕もあります)。

Vrisch社の共同設立者であるGabriella Chihan Stanley氏に、このVRヘリコプター体験をどのように実現させたか、また今回使用したカメラ「Insta360 Titan」の魅力、VRを採用活動に活用する事について語っていただきました。

1. 御社と今回のVR採用映画について簡単に紹介していただけますか? 

Vrisch社はオーストリアのウィーンにある制作会社で、目的に合った有意義なXRソフトウェアの開発と体験を提供しています。私たちはXRの専門家で構成された素晴らしいチームと共に、XRをデジタルトランスフォーメーションへの創造的なアプローチとして使用し、世界中の企業や公共機関向けに没入型コンテンツの企画、設計、制作を行っています。私たちの目標は、人間(そして私たち自身)が肉体の能力を超えた世界を理解し楽しむことができるようにすることです。

Vrisch team with Insta360 Titan

写真提供: Daniel Rachnaev

オーストリア軍からは新しい組織イノベーション戦略の一環として、効果的なVR採用ツールの作成について打診がありました。このツールの目的はヘリコプター部隊の増強に伴うパイロットの追加募集でした。この採用プロセスでは、軍用ヘリコプターパイロットの人員トレーニングプログラムの複雑さを正しく説明すると同時に、志願者の興味を喚起する必要がありました。このようにしてBlack 72が誕生したのです。

2. 今回のVRヘリコプター体験は、ストーリーテリングの観点からどのように撮影されたのでしょうか?

今回のVRヘリコプター体験の場面設定は、肉体的にも精神的にも高い能力が求められる軍用ヘリコプターのパイロットが初めての飛行任務に臨む、ということです。

若いパイロットがそのような状況下で感じることを、一人称視点や回想シーン、空撮などの要素、特注のアンビソニック音楽の楽譜と曲のデザイン、迅速な編集を駆使して伝えました。この360度の立体映像は、新人パイロットの興奮と不安、空を征服するスリル、そして任務を成功させたときの大きな満足感を視聴者にもたらします。

初めてヘリコプター任務の臨場感を出すために、Black 72はInsta360 Titanのような最新の360度動画技術を導入しました。また、ヘリコプターの内外にカメラを固定するソリューションを自社で製作し、急旋回や時速300kmの対気速度、800mの高度まで耐えられるようにしました。

この360度の立体映像は、新人パイロットの興奮と不安、空を征服するスリル、そして任務を成功させたときの大きな満足感を視聴者にもたらします。 

Black 72には、ストーリーにアクセントを与え緊張感を高めるための、特別にカスタマイズされた映画音楽とアンビソニックサウンドエフェクトも組み込まれています。その結果、視聴者は任務遂行中のパイロットと同じようなアドレナリンの放出と感情や気持ちを体験することができます。

また、Titanの手ブレ補正を実際に使用しないことにしたのは、映像が安定しないことがストーリーの付加価値となったからです。映画の登場人物は、走り、戦い、常にプレッシャーにさらされています。その不安感を表現するため、Titanの高解像度を利用して臨場感とリアリティを加えながら、手ブレは抑止するものだというルールを破ることにしました。

3. 今回のプロジェクトでは、なぜInsta360 Titanのような高級カメラが必要だったのでしょうか?

今回のVRヘリコプター映像体験のような空撮では、シーンの多くは遠くを撮っていて映像では小さく見えるため、細部まで忠実に再現することが必要です。Insta360 Titanの登場で、現代の映画制作者が期待する品質を実現するオールインワン360度カメラがようやく手に入ったと言えるでしょう。

Insta360 Titan vr camera

写真提供: Daniel Rachnaev

ダイナミックレンジと10ビットカラープロファイルは、光の状態が変わっても素晴らしい性能を発揮します。日没後の撮影では、大型のマイクロフォーサーズセンサーにより、目立つノイズがほとんどない非常にシャープな映像を得ることができました。

Insta360 Titanの登場で、現代の映画制作者が期待する品質を実現するオールインワン360度カメラがようやく手に入ったと言えるでしょう。

オフライン編集用のProResプロキシの迅速な作成から、DaVinciによるカラーグレーディングまで、後処理パイプライン全体が素晴らしい働きをしました。

4. Titanによるヘリコプターでの撮影はどのようなものでしたか?

弊社がこれまでに担当した最も重要なプロジェクトの一部は、最高レベルの安全基準を求めるオーストリア軍のために制作したものです。ここ数年、私たちはあらゆる種類の車両にさまざまな360度カメラ用のマウントを装着し、多くの経験を積んできました。戦車やピックアップトラックの内部、通過する輸送機を撮影してきましたが、今回はヘリコプターでの撮影でした。

mounting vr camera to helicopter

写真提供: Daniel Rachnaev

マウントに関しては、安定性、振動減衰性、薄型のマウント、画像の「スティッチャビリティ」、希望する視点を全て考慮した中に最適解があると考えています。今回のプロジェクトでは、パイプやマウント、サクションカップの最適な組み合わせを見つけるために、約2日間かけて何度もテストフライトを行いました。その過程で、氷点下付近の気温や時速300kmの速度でのInsta360 Titanの信頼性に非常に満足しました。 

1機のヘリコプターから別のヘリコプターへのライブストリームや、低空飛行中にリアルタイムで指示を出すことができたのは、本当に素晴らしい経験でした。

Farsightモニタリングシステムは、このプロジェクトを通して撮影監督にとって不可欠なツールでした。1機のヘリコプターから別のヘリコプターへのライブストリームや、低空飛行中にリアルタイムで指示を出すことができたのは、本当に素晴らしい経験でした。また、天候の変化によって長時間の低空飛行を繰り返し行わなければならないとき、カメラの長寿命バッテリーがとてもありがたかったです。

5. VRを利用した採用体験は、なぜこれほどまでに効果的だと思いますか?

Black 72は、機材の品質の飛躍的な向上とユニークなストーリーテリングにより、次世代の高画質360度動画のパラダイムとなりました。その結果オーストリア軍は、入隊志願者に軍隊の本物の魅力的な体験を提供する、革新的で新しい兵士採用のアプローチを得ることができました

VR helicopter

写真提供: Daniel Rachnaev

VRによる採用体験は、企業や公共機関が入隊後の同僚からの視点で任務の様子を伝える、優れたツールです。VR映像を体験している間はすぐにその企業や公共機関の一員になることができます。そして、特定の任務や一連の業務を行うことで得られることやその意義についてより深く理解できるのです。

VRによる採用体験はどのような企業や公共機関でもうまくいくわけではありませんが、オーストリア軍には間違いなく完全に適合しています。今回の360度映像によって、国のために奉仕したいと考え志願したいと思っている若者たちを、よりうまく採用することができるのです。


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