Insta360とパートナー提携をしている、アクチュアル株式会社が、360度メディアの編集・配信サービス「WHERENESS(ウェアネス)」(以下、WHERENESS )を2023年5月25日(木)にリリースしました。
WHERENESSとは?
WHERENESS は、ユーザー自身が撮影した360度動画や写真などのデータをクラウド上にアップロードし、編集、配信することができるクラウドサービスです。360度コンテンツ制作に最適化したワークフローで編集から配信までをワンストップで実現。家族との大切な思い出や、大規模なイベントや展覧会、企業・科学研究におけるフィールドワークの調査記録など、写真や映像で切り取るにはもったいない体験を、臨場感そのままに「ありのままの体験」として残していくことが可能です。
サービスのリリースにあたり、WHERENESSの担当者に、サービスの開発背景とInsta360の360度カメラを使用する理由について伺いました。
「WHERENESS」という360度メディアクラウドサービスを始めようと思ったきっかけは?
世界には、現在10万館以上(※1)の美術館・博物館があり、さらに芸術祭2000件やギャラリー296,000軒を加えると、年間約200万(※2)近い展覧会が開催されていることとなります。しかし、そのほとんどは1〜3ヶ月ほどの会期で取り壊され、その体験を未来に残す手段はありません。
弊社では、2017年からART360°(アート・スリー・シックスティー)(※3)という360°展覧会アーカイブ事業(事業主体:公益財団法人 西枝財団)の企画・制作を通じ、誰もが時間や距離を超えてアートの足跡を振り返ることができる環境づくりに取り組んできました。
このように、文化芸術事業からスタートした弊社ですが、その後、フレームのない360度メディアという特性を活かし、企業PRやSDGs関連映像、人材採用など幅広いコンテンツ制作を行っています。
これらの制作を通じて、私たちは多くの潜在ニーズとともに課題も感じてきました。その一つに、360度メディアの編集に最適化されたツールがなく、結果的に制作コストが高くなってしまうということが挙げられます。これは、360度映像記録アーカイブが普及してこなかった理由でもあると考えており、編集時におけるワークフローの改善によって、360度映像を安価に編集・配信することができれば、誰もが過去をより豊かに体験することができるのではないか、そんな考えから今回の WHERENESS の開発に至りました。
※1 https://www.statista.com/statistics/1201800/number-of-museums-worldwide-by-region/
※2 美術館・博物館:年間8展、芸術祭:各10展、ギャラリー:年間4展の展覧会が開催されていると仮定し算出。
※3 若手創造者の支援と、知的文化の創造を目的とする公益財団法人 西枝財団が運営する「ART360°(アート・スリー・シックスティー)」URL:https://art360.place
どのようなユーザーに使っていただきたいと考えていますか?
今まで空間・体験を作り続けてきたが、それらが短期間でなくなってしまい、なおかつ記録アーカイブすることが出来ていなかった人たちに使っていただきたいです。現実世界では作った空間・体験はなくなってしまいますが、WHERENESS の中では残り続けていきます。
WHERENESS の名前の由来にもなっていますが、惜しまれながらもなくなってしまう空間・体験が保存されていく場所としてWHERENESS が在ってほしいと考えています。
- 美術館やギャラリー
- ART360°で私たちが行っている編集・配信作業がWHERENESS を使えば美術館やギャラリーの方でも行えるようになります。
- 建築・インテリア・不動産会社
- 取り壊される建物の記録や、建物内部の様子の共有などが簡単に行えます。
- イベンター・展示会主催会社
- 360度すべてを収めることができるので、大規模なイベントや展示会にも向いています。会場の臨場感をそのまま体験していただくことができます。
- 大学・教育・研究機関
- フレームのない360度映像/写真の特徴を活かし、科学研究におけるフィールドワークの調査記録や、医療機関での臨床記録・共有をすることも可能です。
- 映像制作会社
- クリエイター
- クライアント向けに360度メディアの制作を新しく行いたい方
- バーチャルツアーの制作を行なってきた方で、より編集コストを下げたい方
このサービスが将来どのように社会に役立つと考えていますか?
WHERENESS が提供するのは「世界を体験できる記録」です。わたしたちは、フレームのある記録を、映画やCM広告に代表されるような創造的な記録と定義しています。この四角いフレームで切り取られた写真や映像は、フォーカスやフレーミングなどの演出で記録する人の想いを鮮烈に伝え、見ている人の感情を動かします。対して、事実をありのまま記録するフレームのない記録は客観的・俯瞰的な記録といえ、このフレームのない360度記録は、文化芸術や科学研究などの本来はフレームがない方がいい記録に適しています。今までは、フレームのあるカメラしか使うことが出来なかったため、この違いが明確ではありませんでした。
360度記録はフレームで切り取られることなくすべての景色を収めるからこそ、一人ひとりの体験の仕方によって様々な意味を持ちます。いま新しい記録を考える理由、それはスマホやSNSから流れる四角い記録と長い時間を過ごすうちに忘れてしまった「自分の視点」を取り戻すためなのかもしれません。
360度の記録は、手軽に撮影・編集・共有する方法がなかったために、これまで多くの人にとって手の届かないものでした。WHERENESS を用いた360度メディアの利活用を進めることで、誰もが自分の視点で世界を体験できる社会を実現することができるのではないかと考えています。
また、空間や体験を場所と時間を超えて残していくことで、遠い未来の視聴者が時間を遡って過去を追体験する、ある種、温故知新を体現する世界をWHERENESS を通じてつくりあげていければと考えています。
撮影用のVRカメラにInsta360のカメラを選んだ理由は?
今までの360度カメラにはなかったオールインワンソリューションを提供してくれたという点が一番の魅力です。それまでにも360度カメラは存在していましたが、カメラ複数台を繋げて撮影する必要があったり、解像度が低かったりとパフォーマス面で優れているとはあまり言えないものでした。Insta360のカメラは、360度カメラの撮影に必要なものがすべて揃っているため、わたしたちのような360度カメラの素人でも使うことができました。
また、撮影のワークフローも格段にシンプルになったため、撮影時間がタイトな現場でもスムーズに撮影を行うことができる点もInsta360を使い続けている理由の一つです。
さらに、ハードウェア・ソフトウェアどちらも使い勝手が良く、コストパフォーマンスが良い点も気に入っています。
Insta360の登場で、これまで使いにくかった360度カメラが身近なものになり、誰もが簡単に撮影できるようになりました。わたしたちは、Insta360を360度カメラの民主化的な存在だと考えています。WHERENESS は360度メディアの編集・配信を誰でも行えるようにし、より多くの人に360度コンテンツを活用してもらうために開発したクラウドサービスです。
わたしたちもInsta360のように、360度メディア編集ツールの民主化を牽引する存在になることができればと考えています。
アクチュアル株式会社の過去の記事はこちら
今なら、WHERENESSを7日間の無料トライアルを実施中。まずはお気軽に試してみてください。